
Maenomery・木村穂乃香さん インタビュー
大手企業、公務員と異なる業界でご活躍されてきた木村穂乃香さんのご経歴には、その都度の葛藤と、貫かれてきた信念があります。
「迷ったらやる」を行動の軸に掲げ、どのような環境でも結果を出し続けてこられた木村さん。
現在は、アスリート学生のキャリア支援を行うキャリアバディ(以下、CB)のリーダーとしてご活躍されています。
一見すると大胆に見えるキャリア選択の裏側には、「自分らしく働きたい」という、誰もが共感できる強い想いがありました。今回はその想いを深掘りしてまいります。
1. キャリアの歩みと転機
――まずはこれまでのご経歴について、簡単に教えてください。
大学卒業後は、大塚家具に2年ほど勤めていました。週に一度、剣道部の練習がある日は16時退社と決まっていたのですが、それ以外は他の社員と変わらない条件で、売上目標にもコミットしていました。毎日やり切るのが楽しかったです(笑)
その後、会社の事情などから転職を考えるようになり、「転職するなら教職試験を受けてみよう」と思い立ち、群馬県の中学校教員採用試験を受け、合格しました。
そこから7年間、中学校の教員として働き、最初の1年は副担任で剣道部の顧問を務め、以降の6年間は学級担任として教壇に立ちました。
2.価値観を形づくった現場での経験
――大手企業や教員など様々な経験をされてきたかと思いますが、特に印象に残っているご経験はありますか?
はい、たくさんあります。特に印象的だったのは、教員時代の3年目に担当した学年です。その学年には様々な課題がありました。不登校の生徒がいて、その子が2年生の10月にようやく登校してくれたときのことは、今でも忘れられません。
それまで、ほぼ毎日ご家庭を訪ね、雑談を交えながら、彼のペースに合わせてお話をしました。「全部できなくてもいいよ」と、自分の失敗談も交えながら寄り添った結果、少しずつ心を開いてくれたのです。3年生では運動会の実行委員も務めてくれて、その成長を見届けられたことが本当にうれしかったです。
クラスの子どもたちにも環境づくりに協力してもらい、少しずつ学校に馴染んでいく様子を見ながら、「自分が届けたかったものはこれだ」と実感しました。
――働く中で一貫して大事にしている価値観は何ですか?
「きっかけ」と「挑戦」です。
先ほどの経験もそうですが、どんな環境においても自らきっかけをつくり、挑戦する姿勢を大切にしてきました。また、「自分がいたからこそ、こうなれた」と言ってもらえるような存在でありたいと、常に思っています。
――公務員からMaenomeryへのキャリアチェンジ。迷いや不安はありませんでしたか?
ものすごくありました。今だから言えますが、入社の1週間前にも辞退しようか迷ったほどです(笑)
教員という仕事は、ある意味で安定していて“わかりやすい”職業です。東京に戻って、しかもベンチャー企業でやっていけるのかという不安は大きかったですし、親からも最後まで反対されていました。
でも、Maenomeryの面接で「あなたはどう在りたいのか?」という問いを何度も受け、自分の内面を深く掘り下げるきっかけになりました。
「自分がどこまでできるか挑戦したい」。そう思ったからこそ、Maenomeryで挑戦することを選びました。
3.Maenomeryに入って感じたこと
――入社前に想像していた「ありたい姿」は実感できていますか?
はい、徐々にできています。アスリート学生と向き合い、キャリアや人生を一緒に考える時間は、これまでのすべての経験が活かせていると感じます。
また、Maenomeryのカルチャーも大きいと感じています。「それ素晴らしいね」と、当たり前だと思っていたことを言葉にして肯定してくれる文化があります。社員同士もリスペクトを持ち、自分軸を大事にしているからこそ一人ひとりに向き合っているからこその文化があると感じています。
今は“自分軸”で働けていることを、本当にありがたく感じています。
――入社直後の葛藤と気づき
入社後は中途CBに配属となりました。当時は「自分でコントロールできること」と「コントロールが難しいこと」が混在しており、そのギャップに戸惑う日々が続きました。特に、自分の力ではどうにもならない部分に対して必要以上に思い詰めてしまい、次第に自己肯定感が下がっていきました。
そんな中、毎日行っていたマネージャー(小宮)との振り返りが、大きな転機となりました。日々の振り返りを通じて、「できていないこと」ではなく「できたこと」に目を向けることを意識し始めたことで、少しずつ前向きな視点を持てるようになっていきました。
――自己理解と意識の変化
まず取り組んだのは、自分自身を理解することでした。周囲と比較して落ち込んだり、他人からどう見られているかを気にしてしまう自分に気づき、その思考から抜け出すことを意識的に行いました。
そのうえで、行動の指針として大切にしていたのは、「会社のサービスを誰よりも信じること」。その思いを軸に、面談や社内での発言は誰よりも積極的に行うよう心がけました。KPIの達成はもちろんのこと、アスリートベース(新卒向け企業説明会)への声がけにも力を入れ、日々の業務に全力で取り組みました。
――チームへの貢献と自己成長への挑戦
私が何よりも大切にしていたのは、部署全体での目標達成でした。そのために、まずは「量」にこだわって行動を重ね、業務に愚直に向き合い続けました。
一方で、「質」を高めるための努力も欠かしませんでした。プロフェッショナルとしてより良いサービスを提供するために、業界・業種への理解を深めることに取り組みました。たとえば、知り合いに会ってリアルな声を聞いたり、RB(法人営業)へ情報収集に行くなど、自ら積極的にアクションを起こしました。こうした取り組みを通して、話せる内容や企業理解が深まり、求職者様とより誠実に向き合えるようになりました。
結果として、成功体験の積み重ねが自信へとつながり、新たなチャレンジや学びの大切さを肌で実感できるようになったのです。
――フィードバックを活かした前進と喜び
日々の振り返りでは、自己効力感を高めるだけでなく、準備から結果に至るまでのプロセスに対して具体的なフィードバックを受けていました。そのおかげで、次に取るべきアクションが明確になり、着実に成長を実感することができました。
そうした積み重ねを通じて、常に別の視点から物事を捉え、新しい考え方を柔軟に受け入れられるようになっていきました。求職者様からは、「自分の価値や強みに気づけた」「自分と向き合い、人生を考えるきっかけになった」など、嬉しいお言葉をいただくことも増え、大きなやりがいを感じています。
中途CBでは過去最大の数字を出すことができ全体達成にも貢献できたのも嬉しかったです。
振り返ると、自分のありたい姿について泣きながら話したこともありました。そのときに、向き合ってくれる上司がいたことは、Maenomeryの強みだと感じています。
4.女性として、これからの目標と挑戦
――女性としてのキャリアにおいて、特に大切にしていることはありますか?
「自分の可能性は自分が信じる」ということです。性別や年齢、家庭環境を理由に、何かを諦めることはしたくありません。たとえば、子どもがいるから、バツイチだから……そういった背景は関係ないと思っています。
「ロールモデル」であることが、私の一つの使命だと考えています。
直近では朝礼に参加して社員の理解や自ら発言の機会を得るようにしています。
それは理念やパーパスを誰よりも信じて行動しているからだと思っています。会社のサービスが大好きだからこそ「ロールモデル」として会社の考えなどを発信し続けたいと思っています。
――今後、実現したいことはありますか?
CBとして結果(就職成功に導けた人数)で示せるようなプレイヤーでありながら、組織構築や経営視点を持ち挑戦していきたいです。決定人数のギネス記録や、各種表彰もすべて狙っていきます!
もちろん、そのためには課題もあります。役職が上がるにつれて、どうしても“自分のことで精一杯”になってしまう瞬間がありますし、誰かに聞くことを躊躇してしまうこともあります。
それでも、立ち止まらず、臨機応変に動けるようになりたいです。教員時代に学年主任をしていた経験も活かしながら、マネジメントにも力を入れていきたいと思っています。
編集後記
今回は新卒CBのリーダーである木村穂乃香さんにインタビューさせていただきました。
私が感じたのは、どのような環境でも「迷ったらやる」という軸を貫き、ご自身の“ありたい姿”に向かって真っすぐに進み続けている木村さんの姿が、とても魅力的に感じました。
Maenomeryの選考時を振り返ると木村さんの表情、発言、行動など「覚悟の決め方」が非常に印象的でした。業務の中でも求職者様に向き合い続けることは今までの経験と自分のありたい姿を何としても実現するのだという覚悟の表れだと感じています。
女性営業として自らが「ロールモデル」として基準値を上げていく木村さんは社内や学生からの信頼も厚く、魅力に思っている人も多いはずです。
これからキャリアを切り開いていこうとするすべての方にとって、【ロールモデル】となる存在だと確信しています。
今後のご活躍にも、引き続き注目してまいります。


