苦戦していたエージェント採用で「初の成功」を掴むまで。選考移行率を劇的に変えた、理念共感型「GRIT人材」
プロフィール
有限会社新知工業 専務取締役 中村 様 / 採用担当 栁谷 様
愛知県知多市を拠点に、プラント設備メンテナンス事業を展開。 専務取締役の中村氏は大学卒業後、大手プラント建設会社に新卒入社。プラント工事の基礎から施工管理まで幅広く経験した後、有限会社新知工業へ入社。配管工事にとどまらず、プラント工事全体を一括して請け負える体制づくりを推進し、事業領域を拡大。経営理念「one for all〜共により良い明るい未来を世界に提供する〜」のもと、社員とともに持続可能で豊かな社会づくりに挑戦している。
栁谷氏は入社3年目ながら、事務・営業・現場調査を横断的に担当。新卒採用のメイン担当として、学生一人ひとりと向き合う泥臭い採用活動を行い、次世代の人材発掘に奔走している。
「認知不足」の壁と「理念不一致」のジレンマをどう打破するか
発電所、石油、化学プラントや水処理施設などのインフラを守り続ける有限会社新知工業。協力会社約30社と連携して大規模工事を完遂する、地域屈指の技術者集団です。しかし、その裏側ではBtoB企業ゆえの深刻な課題に直面していました。
今回は、専務取締役の中村様と採用担当の栁谷様に、ターゲットを「GRIT人材」に絞り込んだ戦略の背景、そして理念共感を軸とした「強い組織づくり」の全貌について詳しく伺います。
1.課題:痛感した「理念不一致」のリスクと代償
── 本格的に新卒採用を始められる中で、どのような課題に直面されていましたか?
栁谷氏:最も大きな課題は母集団形成の限界でした。社員の母校へ地道に挨拶回りをするなど、足を使った活動もしていましたが、それでも母集団形成の目標数には遠く及ばない状況でした。とにかく「入り口」の時点で苦戦を強いられていたのです。大手の採用イベントに出展したこともありますが、以下のような理由からターゲット学生に出会うことはほとんどありませんでした。
業種の表面的な印象:「建設・メンテナンス」というだけで、学生は選択肢から外してしまいがち。知名度不足:BtoB企業のため認知度が低く、そもそも採用の土俵に立てない。
中村氏:経営視点では、母集団不足に加え、焦りからくる採用基準のブレが深刻な課題でした。当時は事業拡大を急ぐあまり、「とにかく現場の工数を埋めなければ」という一心で、質より量を優先する採用に走ってしまった時期がありました。しかし、経営理念(カルチャー)への共感が薄いまま、スキルや頭数だけで採用した人材は定着しません。
── 具体的にはどのような弊害が起きたのでしょうか。
中村氏: まさに組織を蝕む負の連鎖でした。カルチャーに合わない人材の参画は、既存組織の結束を乱す最大の要因になります。結果、高コストで採用・教育しても早期離職を招き、現場には徒労感しか残らない。「費用対効果の悪化」以上に、「組織力の毀損(きそん)」という致命的なダメージを受けました。 この苦い経験があったからこそ、組織の未来を作るのは、スキルではなく理念への深い共感と困難を突破する力を持った人材だという確信に至ったのです。
2.出会い:自社が求めていた「挑戦心」と、Maenomeryが提唱する「GRIT」の合致
── そのような状況下で、Maenomeryへ問い合わせた決め手は何でしたか?
中村氏: Maenomeryさんが提唱する「GRIT(やり抜く力)」というコンセプトと、私たちが求めていた人材像が完全に合致したからです。組織を再成長させるためには、単に若いだけでなく、「スポーツ人材特有のガッツ」や「失敗を恐れずに挑戦する姿勢」を持った人材が不可欠だという確信がありました。背景としては、以下の2つの要因がありました。
- 知人の成功事例:スポーツ人材サービス経由で転職した知人が、ビジネスの現場でも高い成果を上げていたこと。
- 社内での実証:自社ですでに活躍している25卒の野球部出身者の存在。彼の仕事に対する泥臭く前向きな姿勢を見て、「スポーツに真剣に打ち込んできた学生なら、弊社の風土で必ず輝ける」と実感。
そうした中で、「単なる体育会系」ではなく、心理的特性であるやり抜く力(GRIT)を重視するMaenomeryさんに出会い、「これこそが今、我々に必要な要素だ」と直感して問い合わせに至りました。
GRITとは?=(https://www.maenomery.jp/article/5)
3.導入後の実感:他社とは一線を画す「理解度」と「熱量」
── 実際にサービスを利用されて、他社エージェントや従来の採用手法との違いをどう感じられましたか?
中村氏: 最も大きな違いは、やはり「経営理念への共感度が高い学生の紹介」をしてくれる点です。他社のエージェントは、どうしてもスポーツ経験者という表面的な特徴で学生を括りがちです。 しかし、私たちが求めていたのは単なるスポーツ経験ではなく、もっと根本的な人間性の部分でした。Maenomeryさんは、私たちの採用基準の核となる経営理念への深い共感や、困難から逃げない覚悟を持った学生だけを厳選してくれていると感じます。
栁谷氏: また、担当の波多野さんの伴走力には本当に助けられていると感じます。単に紹介して終わりではなく、学生と企業の間に立って学生の本音を共有と企業の魅力付けに熱心に取り組んでおり、非常に心強かったです。
4.成果①:「会うことすら難しい」状況からの脱却。エージェント経由で初の採用成功
── 実際に導入されて、どのような成果が得られましたか?
栁谷氏: まずは、最大の課題だったターゲット学生との接点数が劇的に増えたことです。
導入前は、大学のキャリアセンターを回っても学生に会うことすら難しく、接点は実質「ゼロ」に近い状態でした。しかしMaenomery導入後は、私たちの求める層の学生と直接対話し、自社の魅力を伝える機会を安定して持てるようになりました。 土俵にすら立てなかった以前と比べると、採用活動の景色は一変しました。
── 採用決定についてはいかがでしたか?
栁谷氏: 紹介会社経由として、26卒学生2名の採用が決まりました。
これまで他社サービスを使っても採用に至った実績はゼロでした。しかしMaenomeryさんは導入後は成果に繋がり、2名の入社が決まりました。
採用する決め手となったのは、素直さからくる吸収力の高さでした。一見おとなしく、面接では少し緊張もしている様子もありましが、話し始めると思考が驚くほど整理されていています。そして、経営理念に対しても変な先入観や自我を挟まず、本質を理解しようとする素直さがありました。
打ち解ければ今後組織の核になってくれる、そんな伸び代を確信して採用を決めました。
5.成果②:「スキル」から「GRIT」へ。揺るぎない採用基準の確立
── 1名の採用決定に加え、組織として得られた成果はありますか?
栁谷氏:私たち自身の採用基準が完全に言語化され、判断への迷いが消えたことです。
Maenomeryさんを通じて多くの学生と会う中で、私たちが本当に求めているのは「表面的なスキル」ではなく、以下の2点なのだと明確になりました。
スポーツ経験などに裏打ちされた、困難を乗り越える「精神的な強さ」
私たちの経営理念と、学生自身の“想い”が深く一致しているか
この明確な2つの軸が定まったことで、合否の判断スピードが劇的に上がりました。以前なら人数の確保を優先し内定を出していたかもしれません。しかし今は、「組織の未来を守るための自信を持って決断できる。これは単なるルールの変更以上に、企業のスタンスそのものが強くなったという、非常に大きな変化だと感じています。
6.GRIT人材の共通点:共通点はレジリエンス(復元力)と当たり前の徹底
── 多くの学生とお会いする中で、Maenomeryが紹介する学生(GRIT人材)に共通する特徴はありますか?
中村氏:彼らに共通しているのは、先入観のない受容力と失敗を恐れないという姿勢です。
実際に現場で活躍している25卒の社員もそうですが、彼らは社会人経験がゼロであっても物怖じしません。未経験の業務に対して「まずはやってみよう」と飛び込み、仮に失敗しても、そこから学びを得て自分で立て直す力(レジリエンス)を持っています。 この打たれ強さと行動量こそが、組織を活性化させる原動力になっています。
栁谷氏: また、挨拶や礼儀、言葉遣いといった当たり前のことを、徹底して行える姿勢も評価しています。
今回採用が決まった26卒の学生もそうですが、挨拶や言葉遣いといった「当たり前のこと」を馬鹿にせず、徹底して行う姿勢が身についています。 スポーツという厳しい世界で組織の中での振る舞いや継続することの難しさを肌で学んできているため、入社後のオンボーディング(定着)もスムーズに進むと感じています。
知識や技術は教えられますが、こうした土台となるマインドがあらかじめ整っていることは、教育コストや組織運営の観点からも、企業にとって計り知れないメリットだと感じています。
7.「同じ想い」で繋がる強さ。理念共感採用で目指す、建設業の新しい形
── 最後に、貴社の今後のビジョンをお聞かせください。
中村氏: Maenomery社との取り組みを通じて、私たちは「数」を追うのではなく、理念への共感やGRIT(やり抜く力)という「質」を重視する採用へ切り替える確信が持てました。
建設や施工のプロジェクトは、個人の技術だけで完結するものではありません。現場・営業・事務がチームとして連携し、信頼と技術を積み上げていく仕事だからです。 だからこそ、私たちは目先のスキルや経験の有無だけで判断しません。スポーツなどを通じて培われた「素直さ」や、困難な壁にも粘り強く挑む行動力を持った若手人材を求めています。彼らが持つ熱量こそが、業界の閉塞感を打破し、組織を活性化させる原動力になると信じているからです。
今後は、こうしたポテンシャル溢れる若手を総合職として迎え、将来のリーダーへと育てていく方針を強化し、 次世代を担う彼らと共に業界の常識を変える挑戦を続けていきたいです。
