【早期離職】パチンコホールのスタッフが、辞めてしまう。その原因を改善した「ハイパフォーマー分析」の全貌。
プロフィール
株式会社安田屋総務人事部:大矢氏
新卒採用の実務責任者として、データ分析に基づいた採用戦略の立案から実行までをリードする。
総務人事部:松島氏
現場経験を経て採用担当へ。入社後のオンボーディングや現場との連携を担い、社員の定着支援に注力している。
業界イメージの壁と、組織を担う「次世代リーダー候補」の不在
「みんな、たのしい。そして、あたたかい。」を企業理念に掲げ、関東圏でパチンコホール「YASUDA/やすだ」を21店舗展開している株式会社安田屋。
創業から地域と共に成長を続けてきた同社ですが、その裏側では、業界全体のイメージに起因する母集団形成の難しさに加え、組織の根幹に関わる「ある課題」に直面していました。
それは、「資質のある人材を採用できても、次世代のリーダー候補へと育っていかない」というジレンマです。
なぜ安田屋は、単なる「人数の確保」から脱却し、会社と本人が同じ方向を向いて成長できる「定着と意欲」を両立させた採用を実現できたのか。本記事では、これまで入社した人材データに基づき「採用の正解」を導き出した、採用変革の全貌に迫ります。

1.課題:なぜ次世代のリーダー候補が育たないのか。「資質」と「意欲」のミスマッチ。
──Maenomery導入以前、どのような課題に直面していたのでしょうか。
大矢氏(以下、大矢):当社ではこれまでも独自の基準を設け、高いポテンシャルの新卒者の採用を継続してきました。しかし、近年、組織の将来を担う「次世代リーダー候補の育成」において、ある深刻な課題が浮き彫りになっていました。
それは、会社側が「この人物は資質がある、ぜひリーダーに育てたい」と期待を寄せて昇進を打診しても、本人から「上にあがる自信がない」「今の立場でもう少し頑張りたい」と断られてしまうという、会社と本人の「意識のギャップ」です。
──「資質」はあっても「意欲」が伴わない、という状況ですね。
大矢:はい。現場で活躍し、評価もされていて、十分な能力を持っているにもかかわらず、一歩踏み出すことに躊躇してしまう。この埋まらないギャップこそが、次世代リーダー候補が育たない根本的な原因となっていました。
「採用の入り口のアクションは、果たして正しいか?」
「今の学生たちの『本音』に迫り、『覚悟』を見極められているだろうか?」
どれだけ資質のある人材を確保し、機会を与えようとしても、この「成長に対する価値観」のマッチングがうまくいかなければ『なり手』不足を生み、結果将来の事業基盤に大きな影響を及ぼしてしまいます。
2.きっかけ:ハイパフォーマーの共通項は「GRIT=粘り強さ」という真実
──その状況を打破するために、どのようなアクションを起こされたのですか?
大矢:社内のハイパフォーマーに対する多角的な分析に着手しました。
過去数年分の人事考課シートの精査に加え、本人や上長へのヒアリング、さらに適性検査データの照合を重ねた結果、彼らに共通して「粘り強さ」の指標が極めて高いという相関関係が見つかったのです。これこそが、不確実なビジネス環境下でも成果を出し続ける人材の共通項でした。
そこからは「粘り強さ、GRIT力」をキーワードに、採用チャネルの選定を行いました。
そうした中、このギャップを埋める可能性を感じたのが、Maenomeryさんの提唱する「GRIT(やり抜く力)」でした。単なるスキルや元気の良さではなく、「困難を乗り越えて高みを目指す意志の強さ」を科学的に見極める手法に、課題解決の糸口を見出したのです。
GRITとは?=(https://www.maenomery.jp/article/5)
3.成果:「粘り強さ」が成長をブーストさせる。未経験からでも早期にチャンスあり!
──導入後の定量的な成果について教えてください。
大矢:まず採用数に関しては、25卒で2名が入社し、続く26卒・27卒でも既に内定承諾が出ています。単発の採用で終わらず、コンスタントに良い人材に出会えている点は、母集団形成の観点からも大きな成果です。
──25卒で入社されたGRIT人材について、現場での評価はいかがですか?
松島氏(以下、松島):配属先のマネージャーからは、「前向きで粘り強い」「昇進意欲も高い」という声が届いています。
例えば、業務スキルや理解に少し時間がかかる場面があっても、彼らは決して腐らず、積極的に行動する姿勢を崩しません。もともと、多少の失敗にもめげない人にチャンスが広がる社風ですが、彼らには先に述べたような「スタンス」が整っているため、周囲の社員も「応援したい」と思いやすく、結果として育成がよりスムーズに進んでいます。
4.成果:「採用基準の明確化」がもたらした、意欲の合致とコストの最適化
──採用担当者としての変化はありましたか?
大矢:結論から申し上げますと、「GRIT」との出会いによって私たちに選考の『迷い』が消え、その結果として「会社と本人の意欲の合致」と「早期離職者ゼロ」を実現できたことです。
具体的には、以下の2点に集約されます。
選考における判断軸のアップデート:これまでは個人の主観に頼らざるを得なかった「意欲や覚悟」の部分に、「やり抜いた経験(GRIT)」という客観的な物差しができました。これにより、単に「資質がある」だけでなく、困難を乗り越えて自ら高みを目指す意思があるか」という、当社が最も必要としていたポイントを精度高く見極められるようになりました。
離職率の改善とコスト適正化:最大の成果は、会社側の「育てたい」という想いと、本人の「成長したい」という意欲が合致したことで、Maenomery経由の入社者の早期離職が現在までゼロであることです。
早期離職は、採用単価だけでなく、それまでにかけた教育コストや現場の工数がすべて「損失」になります。彼らが壁を乗り越えて定着してくれることは、経営視点で見ても非常に大きなコスト削減効果を生んでいます。
5.展望:運動部も、バイトも、趣味も。多様な「やり抜いた物語」が響き合う会社へ
──今後の展望として、GRIT人材にどのような活躍を期待されていますか?
松島:将来の幹部候補として、組織全体を牽引してくれることを期待しています。店舗運営はチームワークが不可欠ですが、GRITの高い人材は、困難な状況でも自ら考え、主体的に行動できる力を持っています。そのエネルギーで周囲を巻き込み、それぞれの個性を活かして活躍してほしいですね。
──求める人物像の変化や、読者へのメッセージをお願いします。
大矢:今後はスポーツに限らず、アニメやゲームなど何かに熱中してきた「オタク」的な要素も含め、「学生のやり抜いた経験」を受け入れていきたいと考えています。安田屋は多様性を何よりも大切にする会社です。「自分はずっとバイトリーダーだった」「運動を続けてきた」「趣味を極めた」。どんなバックグラウンドであっても、その人なりの「居場所」さえあれば、人は必ず活躍できます。自分なりの軸を持った方々に、ぜひ来ていただきたいですね。


