「部下が使えない」と感じた時に読むべき現実的対処法|使えない特徴分析と上司のNG行為も解説

「部下が使えない」という悩みは、多くの管理職が一度は直面するものです。責任ある立場の方ほど、思うように動かない部下に対して焦りや苛立ちを覚えることもあるでしょう。しかし、その感情のままに部下を評価してしまうと、問題の本質を見誤ってしまったり、状況を悪化させたりしてしまう恐れがあります。
本記事では、「使えない」と感じる部下に見られがちな特徴を紹介した上で、上司がやってしまいがちなNG行為、そして現実的かつ建設的な対処法を解説します。部下の育成に悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。
「部下が使えない」とイライラやストレスを感じることは珍しいことではない
最初に述べておくと、部下が思うように動かない、期待した成果を出してくれないと感じることは、決して珍しいことではありません。多くの現場責任者や中間管理職が、同様の悩み(イライラ・ストレス)を抱えています。
ただし注意すべきなのは、「使えない」という言葉には主観や感情が強く含まれやすい点です。個人の感情が強く含まれた評価は、部下が抱える課題や成長の可能性を見えにくくしてしまうでしょう。重要なのは、「なぜできていないのか」を事実に基づいて整理することです。
次の見出しでは、「使えない」部下の典型的な特徴を具体的に整理していきます。
「使えない」と感じる部下の典型的な8つの特徴

上司に「使えない」と感じさせる部下の典型的な特徴は以下の8つです。
- 指示待ちばかりで自発的に動かない
- 上司の指示を聞かない
- ミスが多く改善が見られない
- 仕事を覚えられない
- 報連相ができない
- 成長意欲が感じられない
- 仕事への責任感に乏しい
- 一般常識がない
それぞれ簡単に解説していきます。
1.指示待ちばかりで自発的に動かない
指示待ち型の部下は、自主性や創造性に乏しく、指示されたこと以外は積極的に動こうとしません。そのため、指示された業務はこなせますが、それ以上の成長はなかなか見られず、業務の全体像を把握するのが苦手な傾向があります。想定外の事態が起こると自分で判断できず、結果的に上司の負担を増やしてしまうのはそのためです。
このタイプの部下は、過去の失敗や叱責がトラウマになっていて「余計なことはしない方が安全」と思い込んでいるケースも少なくありません。
2.上司の指示を聞かない
上司の指示を聞かない部下には、プライドと自己評価が過度に高いタイプが見られます。自らの能力や判断力を過大評価しているため、フィードバックをなかなか受け入れません。自己中心的に業務を進めがちで、その結果、チームワークを乱して業務に支障をきたすことがあります。
また、高すぎるプライドや自己評価とは関係なく、上司の指示を正しく理解できず、指示された仕事のやり方や方向性を間違ってしまうパターンもみられます。
他にも、上司とのコミュニケーション不足で信頼関係が構築されておらず、指示に納得できなくて「自分のやり方の方が効率的だ」と判断して動いている可能性もあるでしょう。
3.ミスが多く改善が見られない
同じミスを繰り返す部下は、ミスの原因を深く振り返らず、表面的な対処で終わらせてしまう傾向があります。根本的な改善方法を考えないため、何度も失敗を繰り返してしまうのです。
また、注意力散漫なケース、自分が同じ失敗を繰り返していることに気付いていないケース、気付いていても反省していないケースなど、さまざまなパターンが考えられます。
一方で、部下本人の問題ではなく、マニュアルの不備や複雑な業務フローなど、ミスを誘発する構造的な問題が隠れていることもあります。
4.仕事を覚えられない
仕事をなかなか覚えられない部下は、同じ説明を何度も繰り返す必要があるため、上司の負担が大きくなります。
しかし、その原因が本人の能力不足とは限りません。経験が浅い、業務内容が十分に整理されていない、スキルに見合わない業務量を与えられているなど、環境要因が影響しているケースもあります。
また、一度に多くの情報を与えすぎたり、本人の認知特性(視覚優位、聴覚優位など)に合わない指導方法を取っていたりする可能性も考えられます。
5.報連相ができない
報連相ができない部下は、業務の進捗が見えづらく、トラブルの発見が遅れがちです。その結果トラブルが大きくなり、余計なリカバリー業務が発生します。
原因として、本人が報連相の重要性を理解していない場合もありますが、上司が話しかけにくい雰囲気を作っている可能性も否定できません。
過去に報告した際に不機嫌な態度を取られた経験から、「報告すると損をする」と学習してしまっていることもあります。
6.成長意欲が感じられない
本人にやる気がない、成長に対する意欲が感じられない部下は、経験を積んでも仕事の質が向上しにくい傾向があります。このタイプは、失敗を他人や環境のせいにする他責傾向が強く、反省もできないため、なかなかスキルが向上しません。
その背景には、評価への不満や、疲弊した上司の姿を見て将来像を描けなくなっているケースがあります。「頑張っても報われない」と感じ、キャリアへの希望を捨てたことで意欲を失っている可能性も考慮するべきでしょう。
7.仕事への責任感が乏しい
自分の役割や仕事の意義などを真剣に考えていない部下は、達成意欲が低く、仕事に対する情熱が薄いのが特徴です。このタイプは自己成長や成果向上をあまり期待できないでしょう。
必要以上に自己評価が低いタイプも多く、そのことが仕事に対する消極性につながっているケースもあります。「給料分だけ働けばいい」と割り切って精神衛生を保つ、いわゆる「静かな退職」状態に陥っている可能性もあり、単純な怠惰とは言い切れません。
8.一般常識がない
一般常識がなく、挨拶ができない、上司や取引先への態度が不適切など、一般常識に欠ける言動が目立つ部下も「仕事ができない」とみなされることが多くあります。特に営業職などでは、こうしたマナーの欠如が致命的になることもあります。
ただし、本人に悪意がないケースもあり、これまでの環境で社会的なルールを十分に学ぶ機会がなかっただけのケースもあるでしょう。
「使えない」と安易に見切りをつけるべきでない部下の特徴

部下に対して「使えない」と感じても、簡単に見切りをつけるべきではないケースもあります。ここでは安易に見切りをつけるべきではない部下の特徴を3つ挙げて紹介します。
まだ経験が浅い
仕事ができない理由が経験不足にある場合、早急に見切りをつけるのは適切ではありません。まだスキルを身に付けている途中段階であり、時間をかけて丁寧に指導することで大きく成長する可能性があります。
業務経験を積ませ、成功体験を重ねることで、将来的に心強い戦力になる可能性を秘めた存在です。
やる気が見られる
本人にやる気がある、強い意欲が見られるのであれば、現時点で仕事の質がいまいちでも簡単に見切りをつけるべきではないといえます。
仕事の意欲は行動になりやすく、適切な指導と機会、そして環境が整えば、頼もしい存在に進化する可能性があります。
少しでも成長が見られる
成長のスピードは人それぞれです。なかなか成長が見られない部下であっても、ほんのわずかでも改善や前進などの成長が見られるのであれば、見守る価値は十分にあるでしょう。
中には大器晩成型で、驚くほどの成長を見せるタイプもいます。短期的な成果だけで判断せず、ゆっくりとした成長を見逃さないよう適切なサポートを継続することが大切です。
原因は部下だけではない?「使えない部下」にしてしまうNG行為5選

「使えない」のは部下側の問題ではなく、実は上司側に原因があるケースも少なくありません。以下は、「使えない部下」にしてしまう上司の5つのNG行為です。
- 「使えない」とレッテルを貼ってしまう
- 指示が曖昧で分かりにくい
- 相談しにくい雰囲気を作り出している
- 適切な教育の仕組みができていない
- 期待値が高すぎる
それぞれについて解説します。
1.「使えない」とレッテルを貼ってしまう
部下を「使えない」と決めつけてしまうことは、結果的に成長を大きく阻害してしまいます。
一度レッテルを貼るとその部下の行動全てがネガティブに映りやすくなり、小さなミスで
大袈裟に捉えてしまう、冷たく対応してしまうなどが起こりやすくなるでしょう。結果、部下は委縮し、本来持っている力を発揮できなくなります。
これは先入観による評価バイアスであり、上司自身が正しい判断をできなくなっている状態といえます。感情ではなく、事実と行動に基づいた評価を心がけることが重要です。
2.指示が曖昧で分かりにくい
部下が指示どおりに動かない場合、そもそも指示内容が抽象的でわかりにくい可能性があります。例としては、「いい感じにまとめて」「早めに対応して」などです。こうした曖昧な指示では、求められる水準や期限が正しく伝わりません。
部下に指示を出すときはなるべく具体的に、目的やゴールをわかりやすく伝えることが大切です。また、仕事内容を可能な限り細かく段取りし、都度必要な指示を出し、進捗確認をしっかり行いましょう。そうすることで認識のズレを早期に修正できます。
3.相談しにくい雰囲気を作り出している
部下が相談に来ない、報連相ができないという背景には、上司側が相談しにくい雰囲気を作っているケースもあります。忙しそうな態度や相談時の否定的な反応が続くと、部下は「話しかけると怒られる」「報告すると面倒だ」と感じてしまうでしょう。
この場合、上司の方からこまめに進捗を確認することをお勧めします。話を聞く姿勢を示すことで、コミュニケーション不足による誤解やミスを防ぐことにつながるでしょう。部下の相談を聞くときには、自分の常識を押し付けることや、歩み寄りを拒むような否定的な態度は避けてください。
4.適切な教育の仕組みができていない
部下が成長しない原因が、個人の能力ではなく教育環境にあることも可能性として考えるべきです。例えば、マニュアルが整備されていない、育成方針が共有されていないといったことはないでしょうか。
適切な教育の仕組みができていないと、部下も上司も成長のイメージを持てず、指導が場当たり的になってしまいます。そして目標が明確でない場合、成長スピードが遅くなってしまうのです。
教育の仕組みを見直してしっかりと整えることが、部下を育てるための土台となるでしょう。
5.期待値が高すぎる
部下に対する期待が過度に高いと、それに応えられないことが「使えない」という評価につながりやすくなります。期待すること自体は悪いことではありませんが、経験やスキルに見合わない期待は、部下に過度なプレッシャーを与えてしまうでしょう。
「求める部下像」や「理想の部下像」に縛られ過ぎるのはNGです。
「使えない部下」へのアプローチ方法と改善しない場合の現実的な選択肢

部下が「使えない」と感じた場合、それを改善するために具体的にどのようにアプローチすればいいのでしょうか。ここでは、適切なアプローチ方法と、それでも改善しなかった場合の現実的な選択肢をご紹介します。
具体的な改善アプローチ
改善の第一歩は、指示を明確にし、期待する役割や成果を共有することです。また、部下の話を丁寧に聞き、信頼関係を築く対話を意識しましょう。併せて、小さな成功体験を積ませることで、自信とモチベーションを高めることも効果的です。
その際には、上司自身もフィードバックの頻度と質を見直しましょう。適切なタイミングで具体的な助言を行うことで、部下の成長を大きく後押しできます。
改善しない場合の現実的な選択肢
改善が見られない場合には、配置転換や業務内容の見直しも現実的な選択です。また、スキルアップ支援やメンター制度の導入によって、別の形で力を発揮できることもあるでしょう。さらに、一定期間の見極め期間を設定し、その結果をもとに判断することも重要です。それでも「今の組織では活かせない」と判断した場合、新たな人材への入れ替えは経営判断として合理的です。
プロの力を借りて、組織に「新しい風」を入れる
組織の停滞を打破し、さらなる成長を目指すためには、外部から新たな人材を迎え入れる(人材の入れ替え・補強を行う)ことも重要な経営判断です。
しかし、自社のみの選考では、どうしても「スキル」や「経験」の確認に偏りがちです。
結果として、入社後に「カルチャーに合わない」「期待したほど粘り強くない」といったミスマッチが起きては、採用コストが無駄になってしまいます。
そこで有効なのが、独自の強みを持つ人材紹介サービスの活用です。
特に私たちMaenomeryは、表面的なスキルマッチングにとどまらず、「GRIT(やり抜く力)」の見極め・育成を最重視しています。
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人材のミスマッチを防ぐために人材紹介サービスを利用するのも選択の一つ

新たな人材へと入れ替えをする場合、人材紹介サービスを利用するのも賢い選択肢の一つです。人材紹介サービスなら、求める人材について事前に共有した上で紹介を受けるため、スキルや経験などがマッチした人材を効率的に採用できるでしょう。特に即戦力を求める場合に有効で、育成コストや時間の削減にもつながります。
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まとめ:「部下が使えない」と放置する前に慎重な評価と現実的な対処を
「部下が思うように動かない」という悩みは、リーダーであれば誰もが一度は直面する壁です。しかし、そこで感情的にならず、事実に基づいて原因を分析できるかどうかが、組織の未来を分けます。
指導方法や環境を少し変えるだけで、部下が驚くほど成長するケースもあれば、お互いのために「別の道(配置転換や人材の入れ替え)」を選んだ方が幸せなケースもあります。
重要なのは、放置せず、かといって感情任せにもせず、「組織と個人の双方にとっての最善」を考え抜く姿勢です。
現状を打破するための選択肢の一つとして、外部リソースの活用も含め、ぜひ冷静かつ現実的な一手を打ってみてください。