ストレス耐性を測定できる適性検査とは?結果の活用方法も解説

採用面接のあり方は大きく変化しています。特にストレス耐性のような内面的な資質は、生成AIやインターネットでの情報普及により、応募者側も対策がしやすくなっています。そのため、短時間の面接だけで面接官が正確に見極めることが難しく、経験豊富な面接官であっても判断に迷う場面が少なくありません。
そこで有効なのが、適性検査の導入です。客観的な指標としてストレス耐性を可視化できるため、採用判断の精度を高める手段として重要性が高まっています。
本記事では、適性検査を用いてストレス耐性を測定するメリットや、活用方法について解説します。主なサービスも紹介していますので、採用時のミスマッチや早期離職のリスクを減らす上でお役立てください。
なお、Maenomeryではストレス耐性・復元力・やり抜く力といった観点から、第三者の評価を受けた人材を紹介しています。自社に適した特性を持つ人材と出会いやすくなるため併せてご活用ください。
ストレス耐性とは

ストレス耐性とは「ストレスにどれだけ耐えられるか」を可視化した要素であり、主に以下6つで構成されます。
要素 | 耐性差による傾向 |
感知能力 | 高:物事に動じない |
回避能力 | 高:周囲に相談する、ひとりで抱え込まない |
処理能力 | 高:合理的に判断し、処理できる |
転換能力 | 高:切り替えが早く、前向きに捉えられる |
ストレスの容量 | 高:長期間のストレスにも耐性がある |
ストレスの経験 | 高:過去の成功体験を基にして対処できる |
一律には語れないものの、ストレス耐性が低い場合、本人のメンタル不調などによる業務効率の低下や、早期離職の要因になると考えられています。
そのため、面接や適性検査を通じて、自社の業務に適性があるかを確認する取り組みが重要です。
AI時代におけるストレス耐性見極めの難しさ

ストレス耐性を面接だけで判断するのは困難といえます。面接は短時間かつ限定的な状況で行われるため、候補者が「ストレスに強い自分」を演じることも可能だからです。
さらに生成AIの普及により、「ストレスを感じたときの対処法」についても、あらかじめ模範解答を準備しやすくなりました。
その結果、数カ月単位で取り組む長期プロジェクトや人間関係など、業務を通じて日常的にかかる負荷への耐性は、短時間で終わる面接では表面化しにくくなっています。
「緊張している様子はなかった」といった面接官の主観も、本来のストレス耐性を測る指標として十分とはいえません。正確な耐性を把握するためには、統計に基づいて客観的な数値を可視化できる適性検査の活用が有効です。
適性検査でストレス耐性を測定する4つのメリット

適性検査の導入によって、面接官の主観に頼らない客観的な評価軸が手に入ります。候補者の本質が可視化されるため、採用および配属精度の向上や、入社後のフォローにも活用可能です。ここでは、適性検査によって得られる4つのメリットを解説します。
- 評価基準を統一できる
- 面接だけでは難しい評価ができる
- 採用や配属の精度を高められる
- 採用後のフォローに活用できる
1.評価基準を統一できる
適性検査は同一の質問と基準をもってストレス耐性などを数値化できるため、評価のブレを抑えた客観的な判断が可能です。面接官と採用担当者が異なる場合でも、共通の指標に基づいた一貫性のある選考が行えます。
一方、面接では想定外の質問を通じて候補者の反応を見ることはできるものの、面接官の主観や相性に左右されやすく、評価が不安定になりがちです。
適性検査を併用すれば、面接だけでは判断しきれない、入社後の行動特性やストレス耐性を予測できるのがメリットです。より信頼性の高い判断材料を得られます。
2.面接だけでは難しい評価ができる
面接は、候補者の雰囲気や所作を知る上で有効な手段です。しかし、近年ではインターネットや生成AIの普及により、質問に対する模範解答を準備できるようになりました。そのため、短時間の面接だけで候補者の本質を見抜くことは、経験豊富な面接官であっても容易ではありません。
適性検査を活用すれば、無意識の行動傾向を可視化でき、候補者の本質を探るヒントが得られます。
たとえば、検査結果から対立や責任を避ける傾向が見られる場合には、過去のクレーム対応事例を基に具体的な対処法を質問するなど、意図を明確にした深掘りが可能です。検査結果を深掘りの指針として用いることで、採用判断の精度向上が期待できます。
3.採用や配属の精度を高められる
人材不足が深刻な現代では、候補者の早期離職はなんとしても避けたい課題の一つです。事前に適性検査を実施し、ストレス耐性や性格の特性を可視化できれば、候補者の適性に合った部署への配置が行えるようになります。
また、数値による客観的な指標が得られるため、採用担当者の判断にかかる心理的・時間的コストの軽減も期待できます。さらに、候補者本人の希望と企業ニーズの一致を踏まえた配属や教育方針の策定など、入社後の人材育成に活用できる点も適性検査を実施するメリットです。
4.採用後のフォローに活用できる
適性検査では、ストレス耐性の強弱だけでなく、その内容や特徴も把握できます。実際、叱咤激励を励みにできる転換能力の高い人もいれば、回避能力は低いものの、真面目にこつこつとした作業に秀でた人もいます。
また、適性検査の結果を基に個々の特性を把握すれば、内定者へのフィードバックとしても活用可能です。就業前に本人が感じているであろう職場環境への心理的負担を減らし、入社後のミスマッチを抑える効果が期待できます。
適性検査は採用時のみ使用するのではなく、採用後も貴重な資料として活用できる点は大きなメリットといえるでしょう。
ストレス耐性チェックに活用できる適性検査7選

適性検査には、知能検査と同時に測定するものや、ストレス対処法の分析に特化したものなど、多様な種類があります。ここでは主な適性検査を7種類紹介します。
- SPI3
- 玉手箱
- TG-WEB
- Q-DOG
- アドバンテッジ インサイト
- 内田クレペリン検査
- CUBIC採用適性検査
自社が求める役割や確認したい耐性に合わせて、最適な検査を選ぶための参考にしてください。
SPI3
SPI3は、性格検査や能力検査を通じて、特性や意欲、組織抵抗性などを測定できる適性検査です。
特徴の一つとして、ストレスの感じやすさが分かる「ストレス分析報告書」がオプションで用意されている点が挙げられます。
「本人の資質」「環境との相性」「かかわり方」の3項目を数値やグラフで可視化することで、ストレスを感じやすい仕事や接し方のポイントなどを把握できます。
能力検査とセットで実施できるため、基礎能力を含めた全体的な適性を効率良く見極めたい企業におすすめです。
玉手箱
玉手箱は、適性検査として多くの企業に採用されています。ストレス耐性を含む行動特性を予測するために、2種類の問題を採用している点が特徴です。
性格問題:自分の傾向や人との付き合い方を評価する
意欲問題:仕事に対する熱意や関心の度合いを評価する
これらの結果から、ストレス耐性の他、リーダーシップや協調性といった働き方の傾向も確認できます。知的能力と併せて、候補者の性格特性を広く網羅したい企業向けの検査です。
TG-WEB
TG-WEBには複数の適性検査が用意されています。その中で、ストレス耐性を測る検査として提供されているのが「G9」です。
具体的には、ストレスへの耐性そのものよりも、「対処できる力(コーピング)」の測定に特化している点が特徴です。知的能力検査やパーソナリティ検査など、他の検査と組み合わせて実施できます。
多種多様なストレスに対し、どのようなアプローチで対処する人材かを確認したい企業に適しています。
Q-DOG
Q-DOGは「ストレス耐性」と「ストレス自覚」を軸に、入社後の状態を多角的に把握できる適性検査です。パフォーマンス発揮度(組織で能力を発揮できるかの度合い)や組織への適応度を予測します。
パフォーマンス発揮度は10段階、さらに28職種への適性も5段階評価で確認できます。そのため、内定者へのフィードバックや配属先を検討する際にも活用可能です。
ストレス耐性と現状のストレス自覚のバランスを踏まえ、入社後のパフォーマンス発揮リスクを予測したい企業に適した検査といえます。
アドバンテッジ インサイト
アドバンテッジ インサイトは、EQやコンピテンシー(成果を出す人に共通する行動特性)、ストレス耐性などを多角的に測定できる検査です。さらに、ストレスを解消する力まで把握できる点が特徴です。
テスト項目のスコアは5段階で区分されており、シンプルで誰にでも分かりやすくなっています。どのような点でストレスを感じやすいかが明確になるため、入社後のフォローアップにも活用可能です。
対人折衝やチームワークによって発生するストレスへの耐性を重視する企業に適した検査といえるでしょう。
内田クレペリン検査
内田クレペリン検査は、隣り合った一桁の数字を連続して加算する単純作業を通じて、能力面と性格や行動面の特徴を総合的に測定する検査です。単純作業を用いた採点形式のため、現場作業や事務処理などにおける集中力や持続力を重視する企業に適しています。
SPI3のような設問は一切なく、言語的な回答操作が難しい点も特徴です。そのため、ストレス下での集中力やパフォーマンスの持続性を、より客観的に判断できます。
CUBIC採用適性検査
CUBIC採用適性検査は、個人の内面的な資質や、潜在的な特性を掘り下げることに特化した適性検査です。「対人・目標・繁忙・拘束・総合」という5つのストレス因子に分類し、それぞれの耐性を細かく把握できます。
設問の回答内容に矛盾がある場合は、「信頼係数」の低下という形で結果に反映されます。回答の一貫性を確認できるため、作為的な嘘を見抜きやすい点が特徴です。20分という短時間で検査でき、因子別の耐性について詳細なデータを得られるため、具体的な業務環境とのミスマッチを防ぎたい企業に適しています。
面接でストレス耐性の適性検査結果を活用するポイント

面接時にストレス耐性の適性検査結果を活用することで、採用や配属の精度をより高められます。ここでは、面接で活用するポイントについて解説します。
結果に基づき質問の軸を定めておく
適性検査の結果を数値のチェックだけに留めてしまうと、その価値を十分に生かせません。パーソナリティや行動傾向に関する仮説を立て、面接時に候補者専用の質問を用意するために活用しましょう。
たとえば「ライスケール(自分を良く見せようとする傾向)」の数値が高い候補者は、「理想の自分」を意識して回答している可能性が高いと考えられます。
こうした場合は、候補者の本質を見抜くために「適性検査では〇〇と回答していましたが、自己分析と違いはありませんか?」といった、メタ認知を促す問いかけが有効です。
ただし、検査結果は受験時の状況によって変化します。くれぐれも「この候補者はこういう特性がある」といった決めつけや、問い詰めるような圧迫面接にならないように注意しましょう。
面接で検査結果とエピソードの整合性を確認する
適性検査は、あくまでも自己申告に基づいて評価されます。結果でストレス耐性が高いと示されていても、実務で発揮されるとは限りません。
中には、ストレスを抑え込むタイプや自己評価が高い候補者もおり、点数が高く出る傾向にあります。だからこそ面接では、ストレスに関する具体的なエピソードとそのときの対処方法を質問し、数値との整合性を確認しましょう。もし、エピソードや行動内容が抽象的な場合は、適性検査で意図的に回答を選んでいた可能性も考慮する必要があります。
適性検査の結果は絶対的なものではありません。面接でのコミュニケーションを通じて、候補者の本質に迫るためのヒントとして活用することが重要です。
ストレス耐性の測定に適性検査を利用する際の注意点

適性検査の結果は、受験時の状況に左右される可能性があります。数値の高さだけで合否を決めず、候補者の特性を多角的に分析するために活用しましょう。ここでは、適性検査の利用方法について、3つの注意点を解説します。
適性検査だけに頼らない
適性検査の結果は検査時点の回答に基づくものであり、候補者の特性を断定できるものではありません。ストレス耐性も同様で、検査時のコンディションや心理状態によって、無意識のうちに「自分を良く見せよう」とする回答を選んでしまう可能性があります。
選考の際は、適性検査の結果を絶対的な判断材料とするのではなく、参考情報として活用しましょう。面接での対話や、これまでの実績と照らし合わせながら実情を確認することで、入社後のミスマッチを抑えやすくなります。
ストレス耐性が高ければ良いわけではない
数値が高いという理由だけで、ストレス耐性を判断するのは危険です。たとえば、ストレス回避能力が高く出ていても、実務ではストレス要因を避ける行動が多く、「問題から逃げる傾向」として表れるケースもあります。
一方で、ストレス耐性の数値が低い場合でも、他者に頼るのが苦手なだけで、責任感が強い人材であることも考えられます。
重要なのは「候補者がどのようなストレス要因に耐性があり、何が弱みなのか」を把握することです。過去に経験したストレスや対処方法を確認すれば、たとえ数値が低く出ていたとしても、特性に合った配置やフォローを実施できます。
ストレス耐性だけで合否を判断すると、優秀な候補者を見逃す可能性があります。適性検査の結果はあくまで判断基準の一つとして、総合的に評価することが重要です。
情報の取り扱いに注意する
適性検査の結果は候補者の個人情報であり、センシティブな情報を含みます。検査を実施する際は、実施目的と用途をあらかじめ明示し、候補者の同意を得ましょう。
説明が不十分な場合、候補者に不信感を与える恐れがあるだけでなく、個人情報保護法に抵触するリスクもあります。
また、社内閲覧についてもルール設定が欠かせません。採用活動に関わる必要最小限の関係者のみが閲覧できるようにする、不採用者の結果は一定の保管期間後に適切に廃棄するなど、厳格な管理体制を構築することが重要です。
ストレス耐性のある人材採用に強い人材紹介サービスもお勧め

短時間の面接でストレス耐性を見抜くのは、面接経験が豊富なプロでも難しいとされています。そのため、第三者(エージェント)の客観的な評価や、実績(過去の競技生活での挫折経験など)のある人材の紹介を受けるのも有効です。
Maenomeryでは、ストレス耐性・復元力・やり抜く力を見極めた上で、最適な人材を紹介します。ぜひお気軽にご相談ください。
まとめ:適性検査も併用しつつ、効率的に「ストレスに強い人材」と出会おう
ストレス耐性を客観的に測るうえで、適性検査は有効な手段です。面接での質問と組み合わせることで、見極めの精度はより高まるでしょう。
しかし現実には、すべての候補者に十分な時間を割くことは容易ではありません。
限られた採用リソースの中で成果を出すには、「最初からストレス耐性の高い母集団にアプローチする」という工夫も必要です。
その解決策の一つが、Maenomeryが主催する「GRIT就活イベント」です。
スポーツや長期インターン、起業など、厳しい環境下で「やり抜く力(GRIT)」を身につけた学生が数多く参加しており、ゼロからスクリーニングする手間を大幅に削減できます。「採用工数は減らしたいが、人材の質は落としたくない」。
そのようにお考えの採用担当者様は、ぜひ一度お気軽にご相談ください。