スズキグループが実践した“リアルタイム情報共有”を活かした採用イベント活用術
会社情報
社名:株式会社スズキ自販西埼玉
URL:https://www.suzuki.co.jp/dealer/sj-nishisaitama/
社員数:317名
創業:2003年4月
事業内容:スズキ株式会社が製造する四輪自動車の販売および整備、純正部品の販売、損害保険の取扱い
インタビュイー
秋元氏:総務部 採用担当
夏のインターンシップが終わってから、秋冬にかけて学生との接点に悩んでいました。
スズキ車の販売・整備を通じて地域のインフラを支える株式会社スズキ自販西埼玉。営業職・整備職あわせて毎年10名前後の新卒採用を行う同社にとって、秋冬の母集団形成とカーディーラーの仕事にやりがいを感じてくれる人材の確保は、頭を悩ませる課題でした。
そこで活用したのが、株式会社Maenomeryが主催する就職マッチングイベント「GRIT就活」です。
出展の結果、イベント接触39名のうち12名が選考へ移行(移行率30%)、イベント経由では初となる27卒1名の入社合意という成果を上げました。今回は採用担当の秋本氏に、導入の決め手から当日の運営体制、採用成功の裏側まで、具体的にお話を伺いました。

1.組織・採用課題
少数精鋭の採用チームが直面した「数と適性」の課題
――まずは、従来の採用体制と抱えられていた課題について教えてください。
秋本氏:弊社の採用チームは2名体制で、私が営業職、もう1名が整備職を担当しています。毎年の採用目標は10名前後なのですが、長年の課題は「秋冬の選考に向けた母集団の確保」でした。
弊社は夏のインターンシップに特に力を入れており、そこから選考・採用へと繋がる動線を作ってきました。ただ2名という体制で夏のイベントに全力を注ぐ分、秋冬の採用活動を再スタートさせるためのマンパワーが物理的に追いつかず、手付かずになってしまうことが続いていました。
10月に入ると、新卒市場のエントリー数自体がぐっと減り、一気に静かになります。「まだ動いていない、ポテンシャルのある学生さんは一定数いるはずなのに、どうアプローチすればいいか分からない」——それが、長年の大きな悩みでした。
――母集団の確保だけでなく、学生との"適性のすり合わせ"という面でも難しさがあったそうですね。
秋本氏:そうですね。弊社は「クルマの販売から点検・整備、買い替えのご相談まで、お客様のカーライフ全体を支える会社」ですので、人と接することへの関心はもちろん大切なのですが、お客様にクルマという暮らしのパートナーを提案し、その後も長く寄り添い続けることそのものにやりがいを感じてくれるかどうかが、長く活躍してもらうためには欠かせないポイントだと感じています。ホスピタリティへの関心が強く、ホテル業界なども並行して見ているような学生さんとは、最終的にミスマッチが起きやすいという経験も重ねてきました。
口が上手くなくても構わないのですが、自分の意見を相手に届けられる力は、営業職として欠かせない素養だと思っています。秋冬という限られた時期に、数と適性の両面で打開策を探していました。
談笑の様子
2.Maenomery導入の決め手
イベント終了後の「選考への誘導フォロー」に対する制限のなさと、担当者の熱量
――最終的にMaenomeryへ出展を決められた具体的な理由はなんでしょうか?
秋本氏:決め手は、イベント終了後も学生さんとの対話を継続してくれるフォロー体制に、制限がなかったことです。
就活イベントによっては、イベント後の個別フォローに追加費用が発生したり、アプローチ回数に上限が設けられていたりするケースもあります。そのため、せっかくのイベントが「その日限りの点」で終わってしまうことへの課題感を、以前から持っていました。
Maenomeryさんは、追加費用なしで全学生を継続フォローし、事後アンケートもすぐ次の動きに繋げられるようリスト化して共有すると、明確に提示してくれました。仕組みとしての手厚さが、まず大きな安心感になりました。
――導入前には不安もありましたか?
秋本氏:もちろん導入前は、「参加学生の就活への温度感にばらつきがあるのではないか」「弊社のエリアから遠い学生さんが中心で、実際の入社に繋がりにくいのではないか」という不安もありました。ただ、そうした懸念を払拭してくれたのが、担当の伊藤さんの姿勢でした。「僕が責任を持って全員を動かします。」と、私たちの採用成功を自分ごとのように必死に考えてくれているのが伝わってきて。仕組みの良さに加え、一人の営業としての熱量と説得力が決め手になりました。
外観
3.イベントの活用と成果
移行率約30%、入社決定へ導くフォロー
――イベント出展によって、具体的にどのような成果が得られましたか?
秋本氏:イベントで接触した39名のうち、12名が選考へ移行し、移行率は約30%でした。採用活動が動かしにくい秋冬の時期に、これだけ確実な接点を作れたことは大きな成果でした。そして何より、イベント経由では初めてとなる27卒学生(Tさん)の入社決定へと繋がりました。
成果の背景にあったのは、RB(リクルーティングバディ)との密な情報共有です。イベント当日はもちろん、終了後も状況をリアルタイムでLINE共有していただいたことで、私たちも適切なタイミングで迷わずアクションを起こすことができました。全員フォローを言葉通りに実行してくれたからこその結果だと感じています。
仕事風景
4.GRIT就活の運営体制
リアルタイムの情報共有と"その場でのアプローチ"
――実際に「GRIT就活」に参加してみて、イベントのシステムや運営面はいかがでしたか?
秋本氏:特に印象的だったのは、イベント当日の"リアルタイムな情報連携"です。運営スタッフの皆さんが、学生の反応やその場の感想をその場でリスト化し、システムとLINEで即座に共有してくださいます。どの学生が選考に前向きか、どのような懸念を持っているかが、イベント終了直後に手元に届く体制になっています。
実際、イベント終了後の交流時間に、RBの伊藤さんがアンケートをすぐに確認し、Tさん(後の内定者)が選考に関心を持ちながらも日程面で迷っているという情報を即座に共有してくれました。その場で一緒にTさんのもとへ向かい、直接関係性を築くことができたのは、リアルタイムの情報共有があってこそだと思っています。リストが後日送られてくるだけでなく、その情報をその場で活かせる運営体制は、他にはない強みだと感じました。
5.学生との向き合い方
働くリアルを体感する場を作ることで、学生も企業も"確信"を持って前に進める
――入社を決められたTさんですが、現場体験を通じてどのような変化がありましたか?
秋本氏:Tさんはアルバイト経験がなく、「車を売る営業職」として働くイメージが、当初は本人も私たちも十分に描けていませんでした。そこでイメージの乖離をなくすため、平日の落ち着いた日と土日の繁忙日の両方を跨ぐ形で、3日間の現場インターンに来てもらいました。
実際に現場に入ってもらうと、お茶出しひとつの業務にも全力で向き合う姿勢が印象的で、店長や現場社員も「この子はコツコツやり抜ける」と手応えを感じることができました。また、若手先輩社員が新車の成約をいただく瞬間に立ち会えたことで、Tさん自身も営業のやりがいを肌で感じ、入社への意欲が一気に高まっていきました。
現場を実際に体験してもらうことで、学生自身の「やってみたい」という気持ちと、私たちの「この人と一緒に働きたい」という確信が、同時に育まれていく。そのプロセスを丁寧に作ることが、お互いにとって納得感のある入社に繋がると感じています。
スズキグループロゴ
6.今後の展望
"By Your Side"を体現できる仲間と、地域の未来を支えていく
――最後に、御社の今後の事業目標と、採用における展望についてお聞かせください。
秋本氏:私たちスズキ自販西埼玉は、コーポレートスローガン"By Your Side(お客様のそばに)"のもと、地域の皆様の生活に密着した「インフラモビリティ」であり続けることを目指しています。
カーディーラーの仕事とは、クルマをお届けして終わりではなく、お客様の人生や暮らしの移動を支え続けるということ。そのためには、地道であっても「やるべきことを毎日コツコツとやり抜く力」が何より求められます。実際に、弊社のトップ営業たちも、当たり前のことを愚直に継続できるメンバーばかりです。採用においても、その姿勢は変わりません。学生さんとは、実際に直接お会いして熱量を伝えないと、本質的には繋がれないと思っています。だからこそ、一人ひとりの学生と誠実に向き合う場を、これからも丁寧に作り続けていきたいと考えています。
採用担当として大切にしていることは、「この人と一緒に働きたい」と心から思える出会いを、一つひとつ丁寧に重ねていくことです。華やかさよりも、地道にやり抜ける方と共に、地域のお客様の暮らしを支えていける組織を作っていきたいと思っています。

編集後記
「当たり前をコツコツやり抜く人」が、確かに報われる場所
今回の取材を通じて最も強く胸に響いたのは、秋本氏が語った「最初から完璧じゃなくていい。言われたことに素直に向き合い、準備ができる人なら大丈夫」という、人を育てる前提の温かい眼差しでした。
採用において、即戦力や見栄えの良いエピソードに囚われがちな企業が多い中、スズキ自販西埼玉様が見据えているのは「丁寧な一歩を積み重ねられるか」という、地に足のついた資質です。だからこそ、アルバイト未経験だったTさんに対して、平日の空気も土日の熱気も両方体験させる丁寧なインターンを用意し、本人が「働く未来」に納得できるまで伴走されました。
「日々の段取りを地道に積み重ねる人が、毎年のように社内で表彰台に上がる」。そんな誠実な社風と、野球部やフットサル部(社内部活動)といった横のつながりの温かさこそが、スズキ自販西埼玉様の最大の魅力です。真面目に準備を重ねられる求職者にとって、ここ以上に自分を磨き、正当に報われる場所は他にないのではないか――そう確信させられるインタビューでした。
