「GRIT=やり抜く力」って結局なんだ?
導入
「GRIT」という言葉を最近よく耳にします。
簡単に説明すると「やり抜く力」という心理的特性なのですが、なんかふわっとしてるよな。
というのが直感的に感じ取れます。私もそのひとりです。
そんな私は株式会社Maenomeryという人材会社を創業し、今まで約3万人ほどの就職支援と1,000社以上の採用支援に携わってきました。
多くの人材を見ていた中で、前評判と入社後の活躍に大きな乖離がある瞬間にも多く立ち会いました。
NPO団体の立ち上げ経験があるなんて「主体性がありそう!」
スポーツで全国大会出場経験があるなんて「忍耐力がありそう!」
という感じで鳴り物入りとして入社するのですが・・・
どうやら活躍する人もいれば、すぐ辞めてしまう人もいるという・・・・
そんなこともあり、活躍する人と微妙な人の違いは何なんだ??という疑問から出発した先に出会ったのが「GRIT=やり抜く力」でした。
それからGRITに関する論文は国内外問わず読んでみたりなどして、GRITについての外観はなんとなく掴めている気になっています。
今では「GRIT」のある人材と企業をマッチングする事業に取り組んでおり、GRITがある人材は素晴らしい!AI時代にこそ必要な力だ!と、言ってたりもします。
しかしながら「GRITって結局なんだよ?」とふと我にかえり疑問に思ったりもします。
ということで自分なりのGRITを再構築したいと思い記事を書いてみましたので、よかったらお付き合いください。
ここでは厳密なアカデミック的な定義は度外視して、マエノメリが考える「GRIT」を記したいと思います。
GRITの生みの親。ダックワース先生
とはいえ、GRITの生みの親である心理学者ダックワース先生を無視することはできません。
簡単にGRITが生まれた経緯を説明します。
ダックワース先生は、マッキンゼーを経て教師になりました。
その中で、IQが高い生徒が必ずしも一番成績が良いわけではないことに気づきます。
「頭がいい。能力がある。それでも、最後まで結果を出す人と、途中でそうではなくなる人がいる。その差は何なんだ?」
この問いがGRITの出発点になります。
ダックワースにとってのGRITとは何なのか?
ダックワース先生のGRIT定義では
“Passion and perseverance for long-term goals”
=長期的な目標に対する情熱と粘り強さ。
と示されています。
私はこの「長期」という時間軸と「目標」という成果軸が、なによりもGRITという心理的特性の象徴だと捉えています。
つまり「ただ耐え続ける忍耐力」や「徹夜を続ける根性」とも別物だということです。
「やり抜く力」とだけ聞くと「根性」「忍耐力」「長時間働く」みたいなことを連想しがちなのですが、どうやら異なる概念に聞こえます。
そもそも「成果」はどこから生まれるのか?
ここまでGRITの源流を辿ってきましたが、GRITはどうやら「長い時間を使わないと獲得できない成果」を得るために必要な特性だということが伺えます。
では成果とはそもそも、どのように生み出すのでしょうか。
私は、成果が大きく3つの要素によって生まれるのではないかと思っています。
成果 = 既存能力 × 環境 × 不足している能力/環境を埋める行動

既存能力
人は誰しも、あらゆる経験を通じて自己を形成します。経験を重ねるなかで、その人なりの人格や能力が形成されていきます。
既に業界知識がある。地頭がいい。コミュニケーション能力が高い。営業経験がある。といったものです。
環境
成果を出すうえでは、環境も大きく影響します。市場環境、上司、部下、組織風土、設備、開示された情報など。
能力が高くても、環境によって成果を出せないことはあります。逆に、良い環境によってその人の能力が大きく引き出されることもあります。
既存能力と今置かれている環境がうまく噛み合えば、成果が出やすくなることは容易に想像できます。
では、「既存能力 × 環境」だけで成果は決まるのでしょうか。
不足している能力/環境を埋める行動
対象者を「新入社員」というスコープで覗いてみると、少し景色が変わります。新入社員が成果をすぐ出せるか?と問うと、その確率は低いのではないでしょうか。
そのうえで、主に何が足りなくて成果がでないかを乱雑に2つに整理すると以下になります。
能力の不足:知識・経験・スキルが足りない。などなど
環境の不足:上司から十分な支援がない、情報がない、協力者がいない、人員やお金など資源がない、社内手続きが複雑で意思決定までが長い。などなど
現実の仕事では、自分も未完成なら、環境も常に完璧とは限りません。
そのため成果を出すための構成要素としては不足している能力/環境に直面したときの行動も検討材料として組み込む必要がありそうです。
マエノメリにとってのGRIT
マエノメリではこの3つめの構成要素である不足している能力/環境に直面した時の行動に着目しています。
知識が足りなければ、専門書を読み漁る。
やり方が分からなければ、フィードバックを積極的に取りに行く。
一人では進められなければ、上司や周囲の協力を得にいく。
今のやり方でうまくいかなければ、何度も改善する。
つまり足りない能力は自ら補い、環境が十分でなければ、その環境に適応し、ときには周囲へ働きかけながら、成果との差分を粘り強く埋めていく。
この行動こそが成果まで辿り着けるか分水嶺となるのではないでしょうか。同じ能力で入社して、同じ会社で、同じ研修を受けたとしても、1年後には大きな差がついていることがあります。
私は、その差を生み出しているものの一つが、「成果を生み出すために不足している能力や環境の差分を、粘り強く埋めてやり抜く力」なのではないかと思っています。
そしてマエノメリでは、そうした行動特性を「GRIT」と定義しています。
GRIT人材を届ける
株式会社Maenomeryでは、GRITのある学生や求職者を心理尺度で診断し、面談で見極め、育成し企業に届ける会社です。
(自社にGRIT人材がいるのか?が気になる人はサーベイできるので連絡してください)
体育会だから活躍する。学歴が高いから戦力になる。NPO団体の代表だからすごい。
そんな盲目的なラベリングは、成果を本当に上げる人材なのか?戦力になりうる人材なのか?という問い事態を陳腐化させてしまいます。
現在の就職活動は「如何に派手なガクチカや経歴を書くか」の勝負になっているような気もします。そのため部活や役職、役割によって本人の内在する行動特性が歪んで認知されたりもします。
労働人口が減少する中で、若手を大量採用するという頭数を揃える戦略は、ますます難易度が高くなります。というよりすでに破綻している。より戦力になる可能性の高い人材を狙って採用していくことが、今後の事業成長の鍵になるのではないでしょうか。
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